アドベンチャーカウンセリング 〜Jimと石巻にて〜

僕が大学生のとき、初めてアドベンチャー教育と出会った頃に、教科書として読んでいた「アドベンチャーグループカウンセリングの実践」(1997年、みくに出版)の著者であるジム・ショーエル氏。
ジムには、プロジェクトアドベンチャージャパン(PAJ)の10周年記念イベントのときに、初めてお会いしました。
なんだか、もの静かなおじさんだなぁという印象と、それでいて横にいたスタッフと急に相撲を取り始めるお茶目な印象がありました。
いまだに、部屋にはそのときもらったサイン入りのポスターが飾ってあります。
写真

 

 
勝手に心の師匠としているカール・ロンキー氏のサインとともに☆

 

 

 

 

 

 

3年前に東日本大震災が起こってすぐに、支援のために何ができるか・・・ということを、アメリカから日本に思いを寄せてくれていたジム。
かれこれ、今回が5回目の震災支援のための来日。
PAJとともに、バンブーリジリエンスというプログラムを立ち上げました。
同じ日本に住んでいても、時間の経過と共に風化していってしまう感覚がある中、アメリカからそうやって思いを寄せてくれているのが温かいなぁと思います。

今回、初めてバンブーリジリエンスのワークショップの通訳をさせてもらう中で感じたのは、ジムもPAJスタッフも「被災地支援」というよりも、「私たちのコミュニティに会いにいく」という感覚なのだということ。

「彼らのコミュニティ」(一般化された、他人ごととして)
→「あなたのコミュニティ」(個人的なつながり)
→「わたしたちのコミュニティ」(自分ごととして)

だから温かいんだね。

 

その一番最初に来てくれた3年前の宮城でのワークショップでも、通訳をさせてもらうチャンスがあったのですが、色々あって叶わず・・・「ジムの通訳をすること」は、それ依頼、僕の夢でした。

今回、ジムと一緒にいて学んだことがたくさんあったので、その一部をシェアしてみたいです。

 


◆個の集まりが集団であるということ

ワークショップやアドベンチャーの活動をしていて「グループ状況は◯◯です」とか「全体的に◯◯な様子です」と、グループを評価することがある。
でも、それはあくまでもファシリテーターが受けた全体からの印象であって、一人ひとりの気持ちや反応を観たことにはならない。
その人が「どんな気持ちなのか?」「どうしたいのか?」と、グループの中の一人ひとりとつながれたときに、初めてグループ全体が見えてくるんだ!

と、2011年に自分のファシリテーターノートにそんなメモ書きがあったのですが、今でも全然できていないなぁと思います。

 

今回、ジムのファシリテーションを間近で見て、本当に一人ひとりを大切にする人だなぁと思いました。
その瞬間、この人の気持ちに寄り添う!と決めると、全体の進行よりもなによりも、その人を見つめて、気持ちを寄せることを大切にする姿を見て感動。

その瞬間にBe Here(今・ここに)して、その相手に全ての思いを寄せる・・・難しいけれど、そんな人になりたい。

ワークショップが始まって、緊張している僕を最初のアクティビティのパートナーに選んでくれて、一瞬通訳とか、人の前にいることを忘れさせてくれたのは、ジムからの僕への「思いやり」だったと思っています。

 

「1匹のひつじが迷子になったら、99匹の羊を野原に置いてその1匹を探しに行く」なんて話があるけれど、まさにこういうことなんだなぁ。周りの人は、置いていかれた・・・と思うかというと、そんなことはなく、「自分が迷子になったら、探してもらえる」という安心感につながるんだよね。

 

◆意味をつくるプロセス
以前、アメリカで参加したAEE(体験学習学会)の大会で、「一人ひとりに物語があって、一つひとつのものにも物語がある。だから声を出そう。みんなの声を聴こう。」という話があったのを思い出しました。

南三陸で、ジムが瓦礫の中から拾った臼。
それが何かもわからず拾ったそうですが、何か意味がある・・・そんな風に思ったそうです。

ワークショップが回を重ねるごとに、その臼に色々な意味付けがされていき、そのコミュニティにとって大切なシンボルとなっていました。

言葉の意味もそう。
翻訳をするだけではなく、そのコミュニティ、状況にとって、どんな意味なのかをお互いに伝え合いながら言葉を選ぶこと。

色々な体験や対話の中から、自分たちにとっての意味付けをしていくことが、グループを大切なコミュニティに育てるんだなぁ。

体験、起こった事実は、一つの事象でしかないけれど、そこにどんな意味を見出して、価値をつけるかは、その人次第なんだよね。

写真 3

みんなの大切な臼は、バンブーリジリエンスのメンバーの一人、バードマンが再会した資料館に大切に飾ってありました。

元々資料館があって飾られていた農具や漁具は津波で流されてしまったけれど、少しずつ回収し、3.11直後の写真などと共に飾られています。

波伝谷高屋敷ふるさと資料館
http://www.m-kankou.jp/recommend/11842.html/

 

 

 

 
ここのすぐ隣にある「慶明丸」というレストランもオススメ!
流された「慶」の浮き球が、流されてアラスカで見つかるというドラマに感動しました。
まさに、大切な意味付けされた「浮き球」です。
https://www.m-kankou.jp/tour/storyteller-lunch/

 

◆セルフケアの大切さ
周りの人たちのサインに気がついて、人の気持ちに寄り添うためには、まずは自分がきちんと立っていること。

  • よく寝る
  • 呼吸をする
  • フィットネスをする
  • 身体に気を使って美味しく食べる

こういうことの習慣化の大切さを、改めて考えなきゃね。
自分が知っている、一流のファシリテーターたちは、この習慣を大切にしているんだよね。

学校の先生、親・・・色んな立場で、子どもの育ちに関わるためには、まず自分のケアが大切なんだな、うん。

でも、自分でケアしきれないこともある。
だから、コミュニティが大切なんだ。

 

◆実践の記録、共有の大切さ
「変化は一人ひとりの中から生まれる」
という言葉の通り、それぞれが実践していることをアウトプットし、共有することで、また新しいものが生まれる。
日記を書いたり、ブログを定期的に書いたりするのは苦手ですが、出来るかぎり自分の学びを共有していきます。

なんだかんだと書きとめてきた自分の「ファシリテーターノート」も、今では宝物になりました。

「書くこと」を大切に。


 

と、まだまだあるのですが・・・
この3日間のノートは7ページになりました(笑

別れ際にジムと話をしていて、ピンっときた本があったので、再読してみました。

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「アルケミスト」パウロ・コエーリョ

 

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「老子の人間学」守屋洋

 

そうそう!そうなんです!って感じ(笑
自分にとって大切な言葉たちですね。

 

写真 2

 

 

 

 

 

 

 
まだ読めていない積ん読本。
ジムの2冊目の本。
Exploring of Islands of Healing 

 

1週間たってようやく言葉にできたかな。

アドベンチャーは続く・・・

 

「伝え方が9割」

本屋で、妻と面白そうだからと衝動買いした本。
とても読みやすく、あっという間に読めてしまう。

「伝え方が9割」佐々木圭一

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「心を動かすコトバには、法則がある」
アマチュアにも、偶然的に最高のモノができることがありますが、いつでも最高のモノを作り出すことができるのがプロ。
この本は、料理本のレシピのように、その手順通りに作れば、プロに近い味を出せるコトバの作り方の本です。

コトバは、国語で習うものではなく、伝えるツールとしては、ほぼ自己流。
実は、伝え方は学べるということを知り、一流に学べば、伝える力が伸びる。
そして、コトバは「思いつく」のではなく、「つくる」ことができるということ。

◆「ノー」を「イエス」に変える3つのステップ
①自分の頭の中をそのままコトバにしない
②相手の頭の中を想像する
③相手のメリットと一致するお願いをつくる

大学の時、英語でのスピーチやプレゼンテーションの授業で、”Know your audience.” ということをよく言われたのを覚えています。
相手が何を聞きたいのか、どんな人なのかを最優先に考えて話すことが大切。基本だけど、忘れがちですね。
◆強いコトバ=心を動かすエネルギーのあるコトバ
・サプライズ法
・ギャップ法
・赤裸裸法
・リピート法
・クライマックス法

「人を動かすのは、ルールではない。感動だ。」

ファシリテーターとして、質問力は必要。
体験学習の中で、体験を通して学習者が自ら気づくことに価値がある。
ファシリテーター(指導者)からの教授的なメッセージは、本来の「体験的な学び」ではないのかもしれないが、時として、ファシリテーターがチームを鼓舞したり、モチベーションをあげたりするために、出力をあげてコトバを伝えることが必要なこともある。
コトバの瞬間最大出力を、出さなくてはいけないときに出せるように・・・。

この本には、ファシリテーターとして「コトバ」を使いこなせるようになるヒントが、あるかもしれません。