AEE 41st Conference 振り返り〜その③〜

AEEのカンファレンスのために買ったMoleskinの黒い表紙の無地ノート。
殴り書いたようなメモや、出会った人たちに書いてもらった言葉、Prescott Collegeの教授に飲みながら書いてもらった紙ナプキンの学びメモ・・・
文字だけでなく、プリントや地図、紙ナプキンなどが貼ってあると、今読み返しても記憶が鮮明に蘇ってくる感覚。 すでに3ヶ月前の出来事・・・

大量のメモ書きから、自分の学びを抽出!!
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 Teaching Skill ≠ Leadership Skill  ≠ Facilitation Skill
リーダーシップスキルの中に全部含まれるような気がしたり、ファシリテーションスキルの中に全部含まれるような気もするけれど、あえて分けて考えることで、スキルが明確になるかもしれない。

コーチやカウンセラーのように、相手に主体性を持たせることを強調して、「支援」する関わり。
インストラクターや専門家のように、やり方や知識を伝達する力。
教師は、静から動まで幅の広い関わり方をする必要がある。

それぞれのスキルに、強調される特性があるような気がするので、それらを意識して分類してみるのも面白い。

教師として(またはリーダー、ファシリテーターとして)、学習者と関わる際に、

  1. 学ぶ内容・知識
  2. コミュニケーションのテクニック(声、表情、スピード、姿勢など)
  3. 伝達方法・策略(伝え方:教授⇆質問、導入方法、引用、ファンタジーなど)

を、最低限意識することで、一つの型のようなものが生まれる。

アドベンチャープログラムの ファシリテータートレーニングでも、

  1. アクティビティの概要・目的、活動のルールなど
  2. コミュニケーション・テクニック(声、表情、スピード、姿勢など)
  3. 伝達方法(伝え方:教授⇆質問、導入方法、引用、ファンタジーなど)

が効果的にできているか?
ということを見て、振り返ったり、フィードバックしています。

ただし、そこに「グループのプロセスをどう捉えたか?」、「グループの様子を見て感じたことに、どう働きかけたか?」など、見えない「職人技」=Art の部分が入らないので、それをどう高めていくか・・・

これは、宮大工の職人さんが、棟梁の技を見て感じて盗んでやってみるように、先輩ファシリテーターが「なぜ、このタイミングで介入したか?」を見て、考え、試行錯誤していくしかないような気がします。

でも、そのあたりが「型」として、「こんなときは、グループ状況にこんな可能性がある!」「こんな声かけのパターンをよく使うよ」みたいなものがあると、若手は助かるなぁ。

 

脱思考停止!Knowing < Understanding < Thinking
情報が溢れている今日この頃では、Google先生に聞くとすぐに疑問の答えが見つかったり、Facebookで友だちが興味深い情報をシェアしていたりします。

読んで知ったこと≠ 理解したこと ≠ 自分で考えたこと の違いを理解することの大切さを、飲みながらPrescott Collegeの教授が語ってくれました。
この時間だけでも、このカンファレンスに参加した価値がありました。

知的な学びは、自分で考えるときに生まれるもの。
ただの暗記や、読んで知った気になっていることに価値はない。

大学生に作文、クリエイティブ・ライティングを教えているという教授曰く、最初大学生に文章を書かせると、知っている事実ばかりを書いて、そこに自分の考えがない・・・と。

とにかく手書きで、自分の考えを交えて書く練習をしているそうです。

アイディアを創造するためには、

  1. Conditional 条件付きで
  2. Plural 複数形で

考えると、脳にゆとりが生まれて、その隙間を埋めようと考えるそうです。


「この問い(問題)に対する、答えとなり得るものが、いくつかあるとすれば、それは何だろう?」

絶対的な答えを一つ見つけるのではなく、「〜かもしれない」を複数見つけようとするとき、人は自然と「考える」という行為をしている。

この日は、酔った勢いで(笑)、一日の体験について自問自答しながら振り返り、ノート4ページに手書きで、自分の考えを書いてみました。
ただ、体験したもののメモを書く、発表者・研究者が言った情報を書き写すのと違い、そこに自分の考えを入れることは、意識してやらないとあまりやっていない自分に気がつきました。

自分で考える人でありたい。

社会のニュースも、出来事をただの事実としてインプットするのではなく、「なぜそうなったのか?」「どんな可能性があるのか?」「自分の生活に影響があるとすれば、何なのか?」と考える習慣を持つこと、みなさんはしていますか?

 

体験のフレーミング(枠組み)の意識

例えば、風船をつかったメチャぶつけのような活動で

A「とにかく、風船をたくさんの人にぶつけてください!ポイントの多い人が勝ちです」

とインストラクションするのと、

B「風船には、みんなの良いエネルギーが入っています。今日はこの時間を通して、お互いに関わり合うことで、良い影響を与え合いたいと思っています。これから、このエネルギーの入った風船を、お互いにぶつけて、なるべく多くの人にプラスのエネルギーを与えてください。だれが一番多く関われるか数を数えてみてください」

と伝えるのでは、同じ活動をしても、参加者の意識や行動が変わってきます。

例えば、「競争」はゲーム性があって面白いというメリットと、勝ち負けの構図に陥りやすいというデメリットがあります。
アクティビティの枠組みをちょっとした「言葉遊び」で変えるだけで、まったく異なるものになるということ。すごく大事なことだと思います。

 

「とにかく体験をして、そこから振り返りを通して学ぶ」
「まずは一緒に遊んでみて、そこでどんな気づきがあるか」

というような、体験ありきで活動に入っていく感覚が個人的に好きです。
体験がまずあって、そこから一人一人が何を感じるかを大切にする。
もちろんファシリテーターとして、活動のねらいにそった質問や、起こった出来事に焦点を当てる問いかけをすることは大切です。

授業やプログラムの狙いが明確なときには、
「今日はコミュニケーションについて、みんなで考えます」
「この活動が終わったら、チームで意思決定をどういう風にしたか質問するからね」
など、事前に活動のねらいを意識させることも有効な手段だと思います。

ただし、気をつけないと、その狙いにのみ焦点が当たり、その他の「学びの瞬間」を逃すこともあり得る。

同じアクティビティをやるにしても、
・狙いをどこまで伝えるのか
・どんな問いかけをするのか
・どんなルールでやるのか

まったく異なるアクティビティになるかもしれない、と思うと、言葉一つ一つを丁寧に使い分けたいし、同じアクティビティでも、毎回、参加者と目的に合わせて調整をしていく必要性を感じます。

 

と、改めて少し振り返っても、学びと出会いに恵まれた4日間でした。

AEE 41st Conference 振り返り〜その②〜

◆一人ひとりにストーリーがあって、「声」があること
Inspired by Hilary Blair (Keynote speaker) 

声=感情・自分が情熱を持っていることを表現するツール
→声が出ない・出せない=感情がつまっている状態

「静かにしなさい!」と、上の立場の人から言われた経験は誰もが持っているはず。

 

子どもが「しゃべらない」とあきらめる瞬間はどんなとき?
・自分が相手に聴かれていないと感じたとき
・相手がひたすらしゃべる続けているとき
・「どうせ自分の考えなんて・・・」と自己否定的になったとき
・これを言ったら否定されるかもしれないと感じる(恐怖)
・全体で話されている内容が理解できないで取り残されていると感じている
・静かにすること(行動)が望まれている
・静かにしていると褒められる⇔うるさいと叱られる

 

⇒反対に「話したい!」と思える瞬間はどんなとき?
・相手が話を聴いてくれると感じる
・自分にも話すチャンスをくれる
・自分の意見(どんな意見も)を歓迎してくれる
・何について話をしているのか理解できる(内容・これまでの文脈)
・話すことが望まれていると感じられる
・意見を言う、思いを伝えると肯定的なフィードバックがもらえる(「話してくれてありがとう」など)

幼児が泣くと、「泣くんじゃありません!」って、泣くことを否定されたり、「大丈夫、痛くない!」とフタをされたりすることがあります。
→泣くということ=制限されるべき。 というように、いつも大人から制限されていると、自分の恥ずかしさ、緊張、怒り、悲しみ、などの感情を人前で出せなくなります。
そうやって、感情の波を自分でコントロールできなくなると、人とのコミュニケーションに弊害が出たり、自分で行動を起こす時に気持ちのコントロールができなくなったりする・・・。

大人も同じ。

「あなたは聴いてもらっていますか?」

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全てのモノ・コトに物語があって、人はそれを語ることができます。
むしろ、物語がないことなんてないはず!

 

例えば、自分が使っているボールペン。
黄色いLammyのボールペンを7~8年愛用して使っているのだけれど、最初にいいなと思ったのは、僕が尊敬する人が使っていて、その人がいつも何かを説明するときに紙に文字や絵を書きながら話してくれる。
サラサラっと描くその姿に憧れて、同じペンを使ってみたいと思ったのが最初のきっかけ。
初めて自分で少し高めのボールペンを買って、そのペンを使うたびに、なんだか得意げな気持ちになっていました。
今でもそれを大切に使っています。
その人と出会ったエピソード、こだわりの文房具、描くということ、どうやって情報を整理するか、などなど。
物語を広げたら、一本のボールペンから1時間は話せます(笑

 

アドベンチャーの体験(体験学習)は、グループワークが主たる活動です。
集まった人たちで、課題を解決しながら、集団における規範やコミュニケーションについて学んだり、自分への気づきを得たりします。
グループが体験する課題は全員が同じもの。
でも、たとえ1時間でも、一人ひとりが見たこと、聴いたこと、感じたことは違います。
10人の参加者がいたら、一人ひとりの振り返りだけでテレビドラマ化できるくらいの感情の動きがあったり。
一つひとつの行動にも理由がある。(なぜそうしたのか?なぜそうしなかったのか?)

 

そのストーリーを共有することで、お互いに気づきがあります。
一人ひとりの体験がとても貴重な大切な出来事。
グループワークにとって、一人ひとりのストーリが必要とされています。

 

もしも、そこで自分のストーリーを声に出せなかったら?
聴いてもらえなかったら?

 

一人ひとりの声を活性化・活動させることの大切さを再確認しました。

声を出すための環境、関係性、姿勢、呼吸、韻律、表情、などなど、様々な観点から、「声」について考えさせられたプレゼンテーションでした。

 

次回、その③へ続く・・・

AEE 41st Conference 振り返り〜その①〜

10月末に、AEE (Association for Experiential Education) のインターナショナル・カンファレンス第41回に参加しました。

2005年に、東海岸のNortheast Regionalという地方大会で、ボランティアスタッフで参加して以来のAEE。
規模も地方大会よりもかなり大きく、刺激がたくさん。
職業としての肩書きを全て外して、完全な一個人としての参加というのもとても新鮮でした。

 

 

◆AEEってどんな団体?
AEEは、体験学習・経験的な教育を推進するための非営利団体です。
(Association for Experiential Education : http://www.aee.org/)
年一回の全体会には、500人以上の参加者が全米、そして世界各地からやってきます。
それぞれの地方大会も開催されており、年間を通して様々なアウトプットとインプットの場となっています。
団体や組織のつながり、プログラムの質の向上、体験教育のアウトカムの研究、書籍・出版物の発行etc…

僕の尊敬する人で、メンターでもあるKATに聞いたところ、元々は5名でスタートした団体だとか・・・。
始まりは小さくても、40年以上継続し大きな流れになっていったんですね。

アメリカにも、アドベンチャー教育、野外教育などの分野で、体験的な学びを提供する教育手法・団体がたくさんあり、学校教育、社会教育、病院、カウンセリング、福祉、企業研修など、様々な分野で体験教育が行われています。

日本でも、「ワークショップ」というものが溢れているからこそ、それを定義し、理論を整理する人たちが出てくるわけで。

日本も「アドベンチャー教育」というだけでも、団体ごとのやり方に多様性が出てきたのではないでしょうか。
それをまとめる必要はないと思いながらも、お互いに情報交換をもっとオープンにして、高め合っていくネットワークがもっとあるといいなと思っています。

 

 

◆朝3:00起きのはずが、アラームに気がつかず・・・
サンフランシスコ国際空港まで行く道を調べていたはずが、まさかの工事中で高速から進みたい道に降りれず!
飛行機に乗り遅れるかもしれないというドキドキ感でのスタートでした。

コロラド州のデンバーに向かう飛行機からは、ロッキー山脈に雪がつもっているのが見え、テンションアップ↑↑
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グランドハイアットのホテルにつくと、アウトドアの活動していますよね?という服装の方たちがたくさん。

 

研究発表など、学会的な真面目さもありつつ、体験的なワークショップも多いのがこのカンファレンスなので、みんなラフな服装。スーツ着てる人ゼロ。
そして、文化的な背景もあるけれど、つながりを求めている人たちが多いので、最初から社交の場・情報交換が盛んに行われています。

 

ホテルの天井の高い宴会場に、ハンモックやテントを飾り、でっかいブルーシートにワークショップの全体スケジュールを掲示、床の絨毯に座ってコーヒーを飲んでいたり、クレイジークリークの座椅子に座ってサンドイッチを食べていたり、それぞれが自分のペースで楽しんでいる自由な雰囲気。
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このお祭り的な雰囲気は、固い学会の雰囲気ではなく、いつでもワクワクします。この居心地の良さは、僕は日本では体験したことがありません。

 


◆物販・書籍・大学・組織の紹介ブースが充実

一番大きなメイン会場には、様々な団体がブースを設けて、自団体のプログラムの紹介をしています。
僕の修士過程で度々通ったProject Adventure、シンポジウムやワークショップでお世話になったバーモント州のHigh 5 Adventure Learning Centerを始め、大自然コロラドにあるColorado Outward Bound School、 ユニークな振り返りのツールなどを多く取り扱うTraining Wheels などなど。
大学も体験教育関連の学士・修士・博士課程の案内を出しているブースも複数ありました。
クライミングギア、バックパックのメーカーも。

基本的に、どのブースも無料の「お土産」で、ステッカー、カラビナ、ペン、お菓子などが置いてあるので、たくさんもらっちゃいます!
そして、それがそのまま友達のお土産になるのだ!経済的!(笑

 

AEEのブースには、書籍がたくさん置いてあり、ロープスコースの安全基準、体験教育のバイブル的な書籍がたくさん。
買いたい本がたくさんあったけれど、重いから今回は2冊だけに・・・。

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AEEメンバーがまとめた体験教育についてのバイブルのような本。その名も”Experiential Education” 。
読み応えがあります。

 

◆毎晩、パーティ企画があって、エンターテイメントがある
カンファレンス初日は10/31ハロウィン。仮装している面白い人たちがたくさん。
自分も仮装道具(フェイスペイント一式)を持っていたのですが、出会った人たちと話が盛り上がり過ぎて、変装する時間がなかった・・・!残念!(何になろうと思っていたかは秘密☆)

 

二日目には、ロディオマシーンとカントリーミュージック。
コロラドには、カウボーイ文化があり、パーティ会場にはカウボーイ衣装が置いてあって写真を撮らせてくれたり、鞭で牛の置物をぐるぐるぐる→びしっ!!っと捕まえている人がいたり。

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ビールを飲んでからのロディオマシーンは危険・・・。
こんなホテル内で、事故怪我の責任放棄の書類を書くとは思いませんでした(笑

Project Adventure,Inc のCEOであるDick Proutyと一緒にカウボーイ姿の写真を撮らせてもらったのは、よい思い出になりました。

さらに、毎朝無料のヨガクラスもありました。

 


◆ワークショップが多種多様
たくさんあるワークショップ(WS)の中から、自分が興味があるものを選んでいくわけですが、とにかく多い!
同じ時間割の中に、出てみたいものがありすぎて悩みます。
3時間枠の体験ものと、90分枠×2が同時開催されていたり、分科会の一つに学術研究発表の会があったりと、幅が広く、参加する側のニーズを満たしてくれます。

 

今回は、僕が修士をとったPlymouth State Universityの教授のWS、Project Adventure のアクティビティWS、High 5の仲間のWS、カウンセリング領域のWS、ソーシャルジャスティスと対話のWSなどに参加。

他にも出てみたいものがたくさんあったのですが、あとは他の人と立ち話で情報交換。
今回は、中国、香港、シンガポールから参加しているメンバーと仲良くなり、色々と情報を教えてもらいました。

ちなみに、中国ではAEE Asiaがすでに存在するそうです。
主言語は中国語ということなので、日本からの参加は難しいかなぁ。

新しい出会い、懐かしい出会い、たくさんの人と出会いました。
昼食時、朝のヨガセッション、夜のパーティ、色々な場面で起こる会話に刺激があり、学びがたくさんありました。
ビールを飲みながらのPrescott Universityの教授との対話は、最高の時間でした。

 

久しぶりに英語脳のスイッチがフルに入った感じ。
でも、まだまだディスカッションなど通用しない場面も感じつつ・・・。
英語はもっとできるようになりたいと再確認です。目指せ使える通訳!!

 

さて、次回は僕が学んだことを書き出してみたいと思います。