第9回湘南PACE

ヤガイカツダーな仲間が立ち上げた、先生たちの自主勉強会「湘南PACE 」。
プロジェクトアどベンチャーの理論と手法を中心に、体験学習を学ぶ会。
これまでも僕の尊敬するファシリテーターの人たちがワークショップを提供したり、仲間同士で実践の場を作ったり、ともて面白い学びの場です。
今回は、Association for Experiential Education (AEE)で、体験してきたことをテーマに新しいアクティビティの体験ということで、3時間半担当させてもらいました。

目的:①PAの理論に基づきたくさんあそぶ! ②体験したことを何か実践したくなる
ということで、自分が体験したこと、本を読んで試してみたいことをやりました。
自分へのチャレンジとして、3時間半全て新しいアクティビティに挑戦。
本当は、そこに一つオリジナルのアクティビティをやるのも企んでいたのだけれど、そこは参加者のみんなの力を借りることにしました。

◆活動内容

写真 2
(記録 by ぎょ)

今回は、道具作りが楽しくなり、色々と作りました。

 

◆ポッパー
ポッパー

東急ハンズで、発砲ポリエチレンという素材で、素材売り場に売っているものをカット。
カッターで簡単に切れました。
これが良く飛ぶ!音が「ぽん!」って鳴るのも楽しい。
夏のプロジェクトアドベンチャーの研修の際に、Aaronという素敵なファシリテーターが教えてくれました。

 

◆ブロック
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左から、スギ(自分でカット、やすりがけ)、カツラ(カット済み、やすりがけ、柿渋3度塗り)、サクラ(カット済み)

3cm×3cmのブロックです。
積み木も自分で作れるなぁなんて思いながら、ヤスリがけに夢中になりました。

自分で切るのは難しい!!ということが判明。
まっすぐ3cm×3cmにするのはどうしたらいいのかなぁ。

個人的には、木目があるスギが好きです。

 

◆チームでお絵描き用の道具
写真 1

プロッキーを挟むための、滑り止めグリップ(自転車用のような)たしか直径19mm。
そして、ロープ(ヒモ)は、固いと動きづらいので柔らかめのもの。
長さは1.5mくらいがよかった。半分の75cmでは短い!

道具を丁寧に作ると、愛着が沸いてその活動が好きになるというのは、この秋アメリカの幼稚園で学んだことです。
準備に時間をかけないことが効率の良さだとも思うけれど、一つ一つ参加者(子ども)がどんな風に使うかなと考えながら作る時間は幸せです。

ちょっとした、色、手触り、大きさ、数などの違いが、活動に大きな変化を生む。
やっぱり、気持ちよく使える道具で、使うとワクワクするものがいいね!

 

◆今回の活動で学んだこと
・アクティビティのルールを少し変えるだけで、緊張感を生むこともできるし、何度でも失敗できる試行錯誤の活動にもできる。
→そのとき、何をねらって、どんな体験を提供したいのか(プログラムの目的との関連性)で、ルールを変えること。

・1回やってみる →振り返って、その活動に意味付け(枠組み)を与える →それを踏まえて2回目の活動をやる
→変化を感じる、参加者の意識が変わったときに、どんな行動の変化がでるか

・活動の自由度を大切に
→参加者からの声・アイディア・意見を拾って、それを全体の活動に活かしていくと、面白いものができる
また、活動に対して「所有感」(Ownership)が生まれ、責任が生じる

・選択肢があるよさ
→2人組でつながってほしいときに「手をつないでもいいし、腕を組んでもいいです」のように、選択肢があると、それで救われる人もいる。「◯◯でなければいけない」ということは滅多にもないかもしれない。

・一生懸命やる ⇔ 失敗を手放して次に進む
→一生懸命やればやるほど、失敗を恐れ手放せなくなる。失敗に対して寛容になればなるほど、「まあいいか」という気持ちが生まれ一生懸命やる緊張感がなくなる。そのバランスをどう感じるか
一生懸命やったときの失敗に対して、寛容で手放せるメリハリが大切だと思う。

写真 3 写真 4

などなど。
体験している人にしかわからないことですが・・・(笑

 

◆自分の振り返りとしては
・進行・活動のルールをどうしていくかに、意識をとらわれていて、参加者の表情・気持ちに寄り添えていなかった

・多くの人が「はじめまして」だったグループ状況を、当日に知ったものの、それに対する声かけやケアが不十分だった
(参加者のポテンシャルと、アクティビティの力で、勝手に打ち解けて行ったけれど・・・)

・自分が、参加者の名前を覚えることをしなかった。
参加者との個人的な関係ができないと、どうも不安になるんです。

・アクティビティの体験が主だったため、会話をしていない。
参加者がどんな気持ちで、どんな状態だったのかを知る術が「観察」しかなかった。

などなど。

 

「アクティビティの体験」が目的だったので、チーム作りではないとはいえ、もっと参加者の気持ちに寄り添えるようになりたいものです。
28人の参加者を3時間半で、どこまで「個」を知れるか。
なんとなく「集団」を見て、こんな雰囲気という判断をしている自分からの脱却が目下の課題です。

 

仲間たちからは、
・安心感があった
・参加者の自由度が高い → けれど、やりすぎるとやんわり緩めてくれる
・「え?ここまでやっていいの?」と思うけれど、いつもそれがファシリテーターの許容範囲にある感じ
・フレームがないようで、でもしっかりある
・基本理念をいつでも抑えている(フルバリュー、チャレンジバイチョイスなど)
・無理に盛り上げられている感じがない
・話が少し長い(笑

など、とても肯定的なフィードバックをもらいました。

 

参加者との対話が少ない場合、またファシリテーターとして参加者一人ひとりを知れなかったと思うようなプログラムの後は、いつもプログラムの結果に対して不安になります。
終わってから思い出して、「あのとき、こうするつもりだったのに」「もっとこうすればよかった」ということは、いつも山のように出てきます。

他人からのフィードバックをもらって、安心する自分。
まだまだ、他者評価>自己評価 の捉え方をしている自分にも気がつきます。

どうであれ、自分がよかったと思える一つひとつの思考・行動ができるようになりたいです。

 

満足したら終わりなんだろうと思っているので、もっともっと参加者に寄り添えるファシリテーターを目指していきます。

 

今回、アメリカのProject AventureのNate Folanというファシリテーターに出会ったことで、このワークショップやろうと決意しました。
体験からの学びのよさ、あそびの持つパワーを、海を越えてもっと広げてほしい、という思いを引き継ぎ、”The Hundredth Monkey”という書籍をベースにアクティビティのアイディアをもらいました。
写真

サルの切り抜きがたくさん乗ってるけど、気にしないでください(笑
アクティビティのアイディア、バリエーション、意味付け、理論、分類の仕方など、とても学びになりました。

 

大人も、もっと「あそび」をしなきゃ!
子どもがどんな気持ちであそんでいるのか・・・
あそんだときに、
・自分の気持ちがどう変わるのか
・人との関係がどう変わるのか
・時間の感覚がどう変わるのか
・自分の一歩踏み出す力はどの程度なのか
・物事の考え方、捉え方の柔軟性はあるのか
など、大人が体験して、自分を知る機会ってのが、もっとあったらいいなと思います。

子どもたちが入学式のときに、知らない子の隣に座ったときに緊張感。
大人同士でも、知らない人同士の最初の出会いの緊張感はある。

人とつながる力、何かを一緒にする力、自分を表現する力を、あそびは気づかせてくれると思っています。

 

<リンク>
ヤガイカツダー(NPO法人体験学習研究会):http://www.csel.jp/
プロジェクト・アドベンチャー・ジャパン:http://www.pajapan.com/

グループプロセスを観るとは?

ファシリテーターは、活動中に参加者の何を観ているのか?

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(photo credit Stuart Miles via  Free Digital Photos.Net)

 
「良い雰囲気だなぁ」
「少し固いぞ」
「あったまってきた!」

と、「なんとなく」の直感をフルに働かせてグループの状態を感じ取っているような気がします。

でも、その直感の裏側には、何か「事実」があるはず。
見えているけれど、無意識にその情報を判断している「感覚的」なこと。
視界に入っているけれど「見えていない」こともたくさん。

ということで、改めて自分がどんな視点でグループの何を観ているのかを整理してみたいと思います。

恩師の言葉で言うならば、

“How does it look like, sound like, and feel like?” (どう見えて、どう聴こえて、どう感じるか?)

<参加者の様子〜個人編〜>
◆表情(笑顔、緊張、ハッとした瞬間、怒り、悲しみ、リラックスetc)

◆視線(活動への集中、気になっているモノ・コト、会話の相手etc)

◆行動(前のめり、背伸びして見ている、壁に寄りかかる、立ち上がる、座っている、あくび、腕組み、咳、鼻噛みetc)

◆発言(会話の量、発言の回数、活動を前に進める肯定的な言葉・否定的な言葉、リーダーシップ&フォロアーシップetc)

◆関係性(だれが、だれに話しかけている、立ち位置、距離感etc)

◆服装(動きやすさ、上着を脱ぐ・着る、汚れても大丈夫?、マスク、メガネetc)

◆身体の特徴(怪我、その他動きの制約、体格etc)

 

<グループの様子〜集団編〜>

◆立ち位置(距離感、誰が誰の隣にいるか、小グループの有無etc)

◆関係性(リーダーシップ&フォロアーシップ、立場の強さ・弱さ、友好度合い、ピアプレッシャーの有無、男女、年齢、競争&協力、安全性etc)

◆コミュニケーション(誰が誰に、発言の回数、質、リーダーシップ、無言、合意形成、共有度合い、フィードバックの質、論理性etc)

◆目標(何を意識して活動しているか、個人&集団の目標、コミットメントetc)

◆達成感(チャレンジ、ルール、試行錯誤、失敗に対しての対応etc)

 

書き出すとまだまだ出てきそう・・・。とりあえず、ここまで。

何か様子を観察するときには、人間は5感を使って観察するのだと思う。(もちろん「虫の知らせ」的な、直感は信じています!)
グループを観るのに、視覚、聴覚はフル活動。活動で参加者と触れ合うこと(触覚)で伝わってくる情報(手が冷たい、熱い、緊張感、パーソナルスペースetc)もある。
幼稚園だと、くさ〜い臭いがしたら、パンツの交換時だとわかったり(嗅覚)。
味覚は・・・あんまり使わないかなぁ。

と、やっぱり目から見える情報にかなり頼っていると思います。
次に耳から聞こえてくる情報。

「観察」して得た情報をもとに、「評価」「判断」しているのだけれど、それはどのくらい正解なのか・・・。
あくまでも、自分の経験をもとにした「予測」でしかない。
もちろん合っていることもある。
でも本当に合っているかは、参加者のみぞ知る。

本当の理解(確認)をするためには、コミュニケーションを取るしかないのだと思います。
「今、どんな気分?」
「なんで、そうしたの?」
参加者について、純粋な興味を持つこと。
本音で相互理解を図ること。

 

コンテンツ(What)とプロセス(How)の視点で分けて観ることも大切。
「何が起こったか?」に対して、「どのようにしていたか?」

一番観るのが困難なことは、参加者の感情と思考
目には見えないけれど、それは「行動」と「整理反応」に表れる。
そのサインに気がつけるかどうか・・・。

様々な兆候と、直接的・間接的なコミュニケーションを通して、プロセスをグループで共有していくこと。
グループの成長を促し、個人の成長を生み出す。

ファシリテーターは、意識を向けることがそれ以外にもたくさんあります。
進行、即興的に変わること、環境(天候や道具の配置など含む)、振り返りのテーマ・・・etc

本来、人は意識していないものは見えないはず。

 

何を意識して、何を無意識で捉えるか。
無意識でも捉えられることを増やしていくことで、さらに多くの情報に気がつけるようになるのかもしれません。

そのためにも、感覚的に観ているものを、一度意識して見直すことが必要だと思います。
他にグループワークをどんなポイントで観ているか、シェアしてくれるかた大歓迎☆